コロナ禍で浸透した非接触での接客―「オンライン接客」。アパレル業界も例外ではありません。今まさにオンライン接客の導入を検討しているブランドもあることでしょう。

Withコロナの流れが加速する中、これからオンライン接客を導入するのは遅いのでしょうか。今からでもオンライン接客導入のメリットはありますか。オンライン接客が向いているブランドの特徴も紹介するのでご覧ください。

コロナ後におけるECサイトの展望

コロナの蔓延を機に、「店舗からお客さまが減った」「ECサイト利用者が増えた」と実感しておられるブランドは少なくないでしょう。旅行も含めて、一時期に比べるとかなり自由に動けるようになっている今、ECサイトを強化する必要はどの程度あるのでしょうか。

簡単に、コロナ以降のECサイト利用についての傾向を見てみましょう。KDDIエボルバの「EC・通販ユーザー動向調査レポート2021」によると、「コロナ以降に非対面で商品を購入する機会が増えている」と回答した人は、約7割を超えています。

注目すべき点として、5?6割以上の人が、購入予定がないにも関わらず、普段からECサイトや公式ウェブサイトを閲覧して、情報収集をしているようです。日頃の情報収集をきっかけに実購入へ結びつく人の割合は約3割。とはいえ、購入にあたって「十分に情報が得られた」と感じている人は3割未満で、7割以上のお客さまが十分な情報を得られないまま購入をしているようです。

結果的に良い買い物ができれば、お客さまの多くは、リサーチの過程で得られる情報量を気にしないでしょう。しかし商品がいざ手元に届いて、「質感やサイズ感、色味が思っていたのと違った」となればどうでしょうか。購入時の情報の少なさに目が向くはずです。

もし、たった1回の「思っていたのと違った」を原因にサイレントカスタマーになってしまったなら…。知らぬ間にECサイトからの客離れが進むということになりかねません。

ECサイトの利用増は一時的?

ECサイトで情報収集をしているお客さまは意外と多く、そのまま購入に繋がる場合が少なくないことが分かりました。ECサイトでの情報の量、質が大切なのは周知の事実です。とはいえ、ECサイトの利用が活発になっているのは、コロナに伴う自粛の一環で、一過性のものなのでは…という不安も拭えません。

同レポートによると、「ECサイトの利用が今後減ると思う」と回答した割合はたった1割です。対して「今後も増える」と回答したのは3割。「増減しない」と回答した人は2割強…つまり、約6割のお客さまが、今後も変わらずECサイトを利用する、またはより積極的に利用するということです。コロナに対する世間の流れが変わっているものの、まだまだECサイトに力を入れていく意義は間違いなくあります。

アパレル業界オンライン接客のトレンドは「パーソナライズ」

非対面接客の代表例といえば「デジタル接客」や「オンライン接客」です。アパレル業界では、インスタライブを活用した「デジタル接客」が主流かもしれません。では、「オンライン接客」の現状はどうでしょうか。

すでにオンライン接客を導入しているブランドをいくつか例に挙げると…

  • 三越伊勢丹ホールディングス
  • マガシーク
  • 23区
  • ミズノ
  • ボッテガ・ヴェネタ
  • ベイクルーズ

洋服のジャンルや価格帯によらず、比較的幅広いブランドが既にオンライン接客を導入していると分かります。いずれのブランドも、キーワードは「パーソナライズ」のようです。

お客さまひとりひとりにパーソナライズされた接客をすることが目標、目的に設定されていました。例に挙げた企業では、事前予約をした上で、ビデオ通話でスタッフによるスタイリングの紹介、サイズや素材の質感などの紹介を受けられます。23区の同サービスでは、23区に限らずオンワードブランドのその他商品を購入することもできるようです。

インスタライブとオンライン接客を比較

「パーソナライズ」の観点から「デジタル接客」…例えばインスタライブを考えてみるといかがでしょうか。多くの人に商品のデザインやポイント、おすすめのコーディネートを紹介することはできます。コメント機能により、ある程度は個人的な質問に答えることもできます。

とはいえ、コメントはすぐに流れていってしまいますし、内容によってはライブ内でお答えできない場合があるでしょう。インスタライブは1対多数には最適な「デジタル接客」ですが、1対1でパーソナライズされた接客にも最適であるとは言えません。

アパレル業界でオンライン接客を導入するメリット5つ

ここからは「デジタル接客」ではなく、パーソナライズに最適な「オンライン接客」を導入する5つのメリットを紹介します。

1. ECサイトでの購入率、客単価のUP

Fastrendによる「洋服のネット通販」調査概要によると、通販で購入したときのマイナス点は、サイズ、質感、シルエットがイメージと違ったことに集約されます。商品の値段が高ければ高いほど、「イメージと違う」のリスクを懸念し、通販での購入を控えたくなるものです。

オンラインでの相談である以上、「画面上での色や質感はわかりにくい」といった問題は残りますが、「人」に直接聞くことで実物とのイメージ差を埋めることは可能です。微妙な色の表現や、似ている質感・手触りを紹介できるかどうかは、買い手が商品に持っているイメージを大きく左右します。

もしお客さまに不安が残り、ECサイトでの購入を一度見送ったとしても、足を伸ばしてまで店舗に行って見る価値のあるものかどうかを判断して頂くことはできます。価値があると判断してもらえれば、近いうちに顧客獲得を達成し、売り上げのアップに繋がるでしょう。

お客さまから「このコーデを組んで見せて欲しい」と要望があれば、それを画面越しに見せることもオンライン接客なら可能です。お客さま自身が組んだコーディネートを気に入ってもらえれば、複数買いに直結し、客単価のUPが実現します。

オンライン限定カラーや限定商品がある場合には、お客さまにとってはとくに嬉しいサービスになります。最近では、店舗取り寄せ試着サービスも充実してきていますが、「取り寄せまですると、できるだけ買わないといけないのでは…」と思い、「ちょっと着てみたい/見てみたい」のレベルで取り寄せをするのは申し訳ないと思ってしまいます。そのため、オンライン接客はオンライン限定商品の販促にも効果的と言えます。

2. 遠方に住むブランドのファンの獲得

店舗販売だと、「普段は来ない場所だけど、別用や旅行でたまたま来たから買う」のように、いわゆるファン化・リピーター化を望めないお客さまにお会いすることもあるでしょう。どうしても場所や距離に制限されてしまいます。

しかし、オンライン接客であれば、そのリスクは全くありません。「オンライン接客で良い接客を受けられた」「オンライン接客によって良い買い物ができた」という成功体験があれば、場所に縛られることもなくブランドを気に入ってもらうことができ、いずれはオンライン接客なしでも購入して頂けるかもしれません。

時に、「ブランドや商品は知っている/気になっているけれど、店舗には若い子ばかりで入れない…」というマダムたちの悩みを聞くことがあります。オンライン接客であれば、実店舗に見られる土地感や客層の傾向にマイナスの影響を受けることはありません。

オンラインだからこそ、どこに住んでいるどんなお客さまにも、いわば手に取ってもらうことを期待できるのです。

3. オンライン接客でスタッフを「広告」に

いくらオンライン接客が良いとは言っても、オンライン接客専任のスタッフを設けるのは現実的ではないかもしれません。店舗によって、混雑する曜日や時間帯に差がありませんか。各店舗の状況を改めて把握し、比較的余裕のある店舗スタッフがオンライン接客に対応していけると、人材配置の効率化に繋がります。

最近では、店舗スタッフがSNSを通じて個人的にファンを獲得している場合が少なくありません。スタッフが出勤日や時間帯を公開し、特定のスタッフが店舗に立っている時を狙って、お客さまが店舗に足を運ぶ傾向も見られます。スタッフが「従業員」の枠を超えて、「広告」になっているとも言える状況です。

オンライン接客の人材配置を考える際、お客さまからスタッフの指名を受けられるようにするのは良いかもしれません。「前回と同じスタッフ希望」というお客さまも出てくることでしょう。ブランドそのものに対してだけでなく、オンライン接客…引いては各スタッフへのリピーターをつけることもできます。

場合によっては、産休・育休中のスタッフに協力してもらうこともできるかもしれません。いずれにせよ、各スタッフがこれまでに積み上げてきている実績やノウハウを、さらに活かせる場にもなるのです。

近頃浸透してきているパーソナルカラー(PC)や骨格タイプですが、お客さまのPCや骨格、身長に近いスタッフが対応できるようにするのも良いかもしれません。自分と特徴が似ているスタッフが接客してくれると、同じ悩みを共有しやすかったり、商品の着用イメージをより鮮明にできたりするからです。

4. コストを抑えてエリアの拡大が可能

全国に漏れなく店舗をもつアパレルブランドはなかなかありません。どうしても都市部に集中してしまったり、逆に都市部出店へのコストが厳しく、郊外にしか店舗を展開できなかったり…。新たな地域に出店を考える際は、「その地域で商品が売れるか」を考えなければいけません。いざ出店しても採算が合わず閉店…というリスクもあります。

ECサイトの運営には、各店舗での採算を考える必要はありません。何より、文字通り全国どこでも商品を見てもらうことが可能です。これまで販売が難しかった地域のお客さまにも、店舗と変わらない接客を通して商品を検討していただくことができます。

最近では、オンライン展開のみのブランドが増加しています。ポップアップショップとして期間限定で店舗販売することはあっても、基本的には実店舗を持たないブランドスタイルです。当然、主な売り上げも、お客さまとのコミュニケーションもECサイトからになるため、オンライン接客は非常に効果的です。

5. 顧客データを残せる

お客さまの基本的なデータ(住所やメアド、購入履歴など)は、ブランドへの会員登録で把握できます。オンライン接客であれば、接客の会話中にスタッフがキャッチできる内容をデータとして残せます

お客さまの好みの傾向、お客さま特有の悩み(低身長/高身長、ウエストやバスト・ヒップ、肩周りのサイズ感等)を、対応スタッフがカルテのようにしてデータを残しておけば、次の接客時に活用することが可能です。お客さまからの率直な意見を残すことができるので、今後の商品展開に活かすこともできるでしょう。

アパレル・オンライン接客にLiveAssist(ライブアシスト)を導入すると…

大きなメリットを複数有するオンライン接客。ここからは、LiveAssistをアパレルブランドのECサイトに導入するメリットを紹介します。「アパレルブランドでの導入」という観点からの推しポイントは主に3つ。

  • 既存のECサイトにそのまま組み込める
  • 専用のアプリやURLが不要
  • 世界基準を誇る信頼性

一つずつ見ていきましょう。

1. LiveAssistを既存のECサイトにそのまま組み込める

ほとんどのブランドが、すでにECサイトをお持ちのことでしょう。いざオンライン接客を導入しようとなっても、新たにサイトを作らなければならないとなると、あまりにも手間とコストがかかってしまいます。お客さまも含め、見慣れた/使い慣れた現在のサイトにビデオ通話機能をそのまま組み込めることが理想です。

LiveAssistではそれが可能です。さらに、ブラウザ上に限らず、自社運用のアプリに組み込むこともできます。既に運用中の自社アプリにビデオ通話機能を搭載することも、ブラウザとアプリの両方に搭載することも可能です。仮に、オンライン接客サービスを、アプリ会員限定サービスにしたいケースでもその通りにできます。

LiveAssistには、画面共有をしつつ画面に書き込める機能があります。お客さまからのピンポイントなご要望(ここからここの幅や長さが知りたい、この小さな装飾部は何色なのか等)があっても、正確に把握・伝達することが可能です。

2. LiveAssist専用アプリやURLが不要

自社ブランドのアプリとは別に、ビデオ通話を使用するアプリが必要となると、オンライン接客サービスがどれだけ魅力的でも、お客さまに敬遠されるかもしれません。LiveAssistなら、お客さまがどこでどんな端末からオンライン接客の利用を望まれるとしても、専用アプリが一切不要です。

専用アプリはさることながら、専用のURLも必要ありません。たとえばzoomは、アプリ無しのWEBから使用できます。しかし、ホストから専用のURLを送ってもらい、URLにアクセスしなければなりません。

Zoomの使用に抵抗感を持つお客さまは意外と少ないかもしれません。とはいえ、ホストであるブランド側がお客さまにメールを送り、URLからzoomに入ってもらう手間がある以上、「メールがうまく届かない」「なぜかURLからzoomに入れない」といったトラブルが懸念されます。

専用URLの発行、URL伝達のメール送受信のプロセスがなければ、トラブルが起きる心配はありません。実店舗のように、お客さまがサービスを利用したいと思ったその瞬間に、オンライン接客を行えます。

3. LiveAssistは世界基準を誇る信頼性

アパレルブランドとして既にブランド力を築いている皆様にとっては、オンライン接客ツールのブランド力も気になるところではないでしょうか。ブランド力は信頼性でもあります。アパレルブランドとしてのブランド力維持・向上のためにも、確実に信頼できるソリューションを導入したいと思われるはずです。

LiveAssistの信頼性は世界基準です。アメリカに本社があり、世界No.1シェアを誇るネットワーク機器メーカーのAvaya、同じくアメリカに本社を構え、世界最大手のネットワーク機器メーカーCisco、この両社にOEM採用された実績をもつLiveAssist。AvayaとCisicoをアパレル系ブランドに置き換えるならば、DiorやCHANELのような規模感になります。

他にも国際的な大手企業に評価されており、アメリカやヨーロッパで開催される権威あるイベントにて、最優秀賞やイノベーション賞を受賞しています。信頼を売りとする業界―金融系・医療系・保険系でのサービスにも使用されています。

オンライン接客が向いているアパレルブランドの特徴

最後に、オンライン接客が特に向いているブランドの特徴をご紹介します。

高い接客スキルを持っている

高い接客スキルが必要とされるのは、オンラインでも実店舗でも一緒ですが、オンラインであればこそ、より高い接客力が必要となります。なぜなら顔の見える接客とはいえ、いわゆる「対面」とは異なるスタイルだからです。より細かな気遣いや、明るい雰囲気、相談しやすい空気感が必要とされます。

アイテム数が多い/複数ブランドを運営している

扱っているアイテム数が多ければ多いほど、おすすめできるコーディネート例の引き出しが多くなります。その分クロスセルの可能性が上がりますし、お客さまの手持ちアイテムとの組み合わせ例をイメージしてもらいやすくなります。

購入後のビジョンをより鮮明にイメージしてもらうことも期待できます。もし複数のブランドを運営しているのであれば、ブランドをまたいだ案内が可能かもしれません。

ハイブランド/高価格帯の商品を扱っている

ファストファッションならまだしも、ハイブランド商品をオンラインで買うのは怖い…。ハイブランドのオンライン接客は、お客さまの購入前の懸念を払拭できるかどうかのカギを握ります。

商品の値段が高ければ高いほど、お客さまは慎重になるはずです。反面、店舗に行くのも気が引けるというお客さまもいることでしょう。ECサイトで新規顧客を獲得できるかは、オンライン接客にかかっていると言っても過言ではないのかもしれません。

オーダーメイド商品を扱っている

オーダーメイド商品の打ち合わせ・相談をオンライン接客にて行うことも効果的です。お客さまに店舗へ来て頂く回数を減らすことができたり、専門スタッフが移動しなくて済むようにしたりできるからです。総じて利便性の向上が期待できます。

購入後のアフターサポートがある

鞄や靴などの革製品を扱うブランドや、アクセサリーブランドであれば、購入後の修理サービスを導入している場合が少なくありません。セルフケアの方法の案内や、修理が必要な箇所・状態の確認、見積もりまでオンライン接客で済ませることができます。

最後に

皆様もご存じの通り、最近ではECと連携する「モノを売らないお店」が出てきています。今のような「店舗で販売する」スタイルは少なくなっていくのかもしれません。

すでに参入している企業もありますが、今後はメタバースでのアパレル販売も見込まれます。オンライン接客に慣れていれば、メタベースでのアパレル展開が本格化したときにも、すぐに対応できます。

新しい接客方法として、ぜひオンライン接客をLiveAssistと共にご検討ください。